面識のない相続人から相続に関する手紙が届いたときの対応方法

記事をご覧いただき、ありがとうございます。港区の司法書士山田武史です。

ある日、面識のない遠縁の相続人や司法書士事務所から相続に関する手紙が届くことがあります。

突然、送られてきた手紙に驚かれて、どのように対応してよいのか、困惑している方もいるかと思います。

本記事では、相続に関する手紙が届いたときの対応について解説いたします。

手紙を受け取った方は相続人であるということ

相続に関する手紙が送られてくるということは、受け取った方は相続人であり、かつ、相続手続きの当事者になります。

多くのケースでは、手紙を送る前に司法書士事務所などの専門家に相続人の調査を依頼して、戸籍上から相続人であることを確認してから手紙をお送るので、誤って手紙を送ることはなく、受け取った方は相続人であることは間違いありません。

したがって、送られてきた手紙の中には、差出人である相続人の連絡先と併せて、司法書士事務所などの専門家の連絡先が記載されていることがあります。

手紙が送られてくる理由

差出人である親族(相続人)が手紙を送る理由とは、相続手続きに協力してもらうためです。

相続手続きの多くは、遺産分割協議など相続人全員の協力のもと手続きを進める必要があるため、たとえ面識がなかったり、疎遠になっている相続人であっても協力を得る必要があります。

手紙を受け取った後の対応について

手紙を受け取った後の対応については、以下の3つが挙げられます。

相続手続きに協力する旨の連絡をする

手紙の内容から協力しても問題がないと思われるのでしたら、相続手続きに協力する旨の連絡をします。

その後は、差出人である相続人や手続きを担当している司法書士等の専門家から今後の手続きについての案内がきます。

内容を把握するために連絡する

手紙の内容がよく分からず、不安に感じる方や相続手続きを経験したことがない方は、まずは、手紙の差出人である相続人や手紙に記載されている司法書士等に連絡して、相続財産や手続きの詳細について、電話などで問合せをしてみることをお勧めします。

関わりたくないときは、「相続放棄」する旨を連絡する

相続手続きに関わりたくない方は、初めから「相続放棄」をする旨を連絡して伝えるようにしましょう。

相続放棄とは、相続人として財産を承継する権利や地位を自ら手放す法律上の手続きのことです。相続放棄をすることで、相続人ではなくなるため、手続きに関わる必要もなくなります。

ただし、相続放棄は、相続の開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所に申立てる必要があります。つまり、今回のケースでは手紙を受け取った時から3か月以内に家庭裁判所に申立てる必要があります。

ご自身で相続放棄の手続きを行うことが難しいと感じる方は、手紙に記載されている司法書士に依頼することもできますし、ご自身の判断で、別の司法書士や弁護士などの専門家に依頼することもできます。

相続放棄について、詳しくは「相続放棄とは」をご覧ください

手紙を受け取った後に無視することのリスク

手紙を受け取った後に、返信を無視したり放置することはリスクになることがあります。

3か月以上放置すると「相続放棄」ができなくなる

先程もご説明しましたが、相続放棄をしたい方は、相続の開始を知った時から3か月以内に家庭裁判所に申し立てをする必要があります。

「相続の開始を知った」とは具体的には、手紙を受け取った時から3か月以内に申立てる必要があり、何もせず3か月以上放置してしまうと、もはや相続放棄ができなくなります。

そして、もっともリスクになるのが被相続人(亡くなった方)が借金をしていた場合です。3か月以上何もせず放置すると法律上は、相続することを認めたことになり、被相続人が残した借金を手紙を受け取った相続人自身が返済する義務を負います。

相続放棄をしたい方は、放置せず、なるべく早めに対応することをお勧めします。

裁判所を介した手続きになることもある

相続手続きは、相続人全員が協力しあいながら手続きを進める必要があり、手紙を無視し続ける限り相続手続きを進めることができなくなります。

したがって、手紙の差出人である相続人からすると、連絡が取れない以上、遺産分割協議もできないため、強制的に遺産分割を行う手続きに移行する可能性があります。

その方法というのが「遺産分割調停・審判」になります。遺産分割調停は、家庭裁判所を介して遺産の分け方を決める手続きのことです。

遺産分割調停に移行すると、手紙を受け取った方にも裁判所から呼び出し状が届きます。そして、呼び出しにも応じなければ、遺産分割の審判に移行します。遺産分割審判とは、家庭裁判所が相続人である各当事者の主張を聞き、遺産の分け方を決める方法になります。

家庭裁判所を介せば、最終的には強制的に相続手続きを解決することができます。ただし、通常の相続手続きとは異なり、時間と費用が掛かります。

手紙を無視することは、ご自身を含めた相続人にとってデメリットになることも多く、必ず何らかのアクションを起こすことをお勧めします。

まとめ

記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。

相続人が多数となると、中には面識のない相続人が含まれることがあります。

手紙を受け取った方は内容を確認して、不明な点があれば差出人である相続人か司法書士等の専門家に相談してみて、ご自身はどうしたいのか希望や要望を伝えるようにしましょう。

当事務所では相続手続きに関するご相談を初回は無料で承っております。

今回の記事のような事案でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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