相続登記の義務化に備える/相続登記していない不動産を調べる方法

記事をご覧いただき、ありがとうございます。司法書士の山田武史です。

相続登記が義務化されるまで残り1か月半を切りました。

令和6年4月1日からは、亡くなった人から不動産を相続した方は相続登記の申請が義務になります。

過去に相続した不動産であっても相続登記されていなければ、義務化の対象になります。

相続した不動産があることを把握している方であれば、そこまで慌てる必要はないかもしれません。ただ、実際には、不動産を相続しても不動産の登記簿を見ると相続登記がされていなかったり、何世代にも亘って相続登記が放置されていることがあります。また、相続人自身も相続した不動産の存在を知らないことがあります。

本記事では、亡くなった人から不動産を相続した方に向けて、相続登記されているか調べる方法について解説いたします。

相続登記されているか調べる方法

相続した不動産があることを把握されているのであれば、相続登記されているか確認することは容易です。

以下は、相続した不動産があることを前提として相続登記がされているか確認する方法になります。

相続した不動産の「登記簿謄本」を取得してみる

相続登記されているか確認する方法として一番分かりやすいのが、相続した不動産の登記簿謄本を取得することです。

不動産の登記簿謄本に記載されている甲区という欄の最後に現在の所有者(名義人)が記載されていますが、その名義人の氏名が不動産を相続した相続人等であれば相続登記がされていることになります。

登記簿謄本は、相続した土地の所在地や地番、建物であれば家屋番号を分かっていれば、最寄の法務局で取得することができます。

登記簿謄本の取得費用は、1通(不動産1個)につき、600円程になります。

亡くなった人から不動産を相続したけれども相続登記されているかご不安な方は、一度登記簿謄本を取得して確認してみてください。

「登記済権利証」や「登記識別情報通知」を確認する

登記簿謄本を取得する以外にも相続登記がされているか確認する方法があります。

相続登記が完了した後は、不動産を相続した人に対して、法務局から「登記済権利証」や「登記識別情報通知」が発行されます。

なぜ、二つあるのかというと相続登記した年代によって、法務局から発行される証明書が異なるためです。

「登記済権利証(又は登記済証ともいいます。)」は、一般の方にとっても馴染みがあるかと思いますが「登記識別情報通知」といわれても何のことだか分からないかと思います。

2004年(平成16年)に不動産登記法が改正されて、2005年(平成17年)3月からは、不動産を取得した人に対して、登記済権利証の代わりに「登記識別情報通知」が発行されるようになりました。(※ただし、不動産を管轄する法務局によって異なることがあります。)

相続登記を申請した年代により発行される証明書は異なりますが、登記済権利証又は登記識別情報通知を確認していただき、不動産を相続した相続人の氏名が記載されていれば相続登記がされていることになります。

「納税通知書」から確認する

不動産を所有している方には、毎年、不動産の所在地を管轄する市区町村役場から固定資産税の納税通知書が送付されてきます。

その固定資産税の納税通知書には、不動産の所有者の住所と氏名や税金が課税されている土地や建物が記載されています。

ただ、注意したいのが、あなた自身に固定資産税の納税通知書が送られたからといって、必ずしも相続登記がされているとは限らないということです。

固定資産税は、相続登記がされていない不動産であっても亡くなった所有者の相続人に送らせてきます。固定資産税は、不動産の所有者が亡くなった後は、その相続人が負担する債務となり、相続登記の有無に関わらず、納税通知書を送付する取扱いとなっています。

納税通知書が送られてきた方は、そこに記載されている不動産の登記簿謄本を取得して相続登記がされているか一度確認してみてください。

他に相続した不動産がないか調べる方法

相続登記の対象となる亡くなった人が所有していた不動産の全てを把握できないことがあります。

また、現時点では特定の個人を指定して、その人が所有している不動産を一括して調べる方法もありません。

ただ、全く調べる方法がないかというと、そうではありません。

以下は、亡くなった人が所有していた不動産が他にないか調べる方法になります。

亡くなった人名義の登記済権利証等から確認する

先にも述べましたが、登記済権利証や登記識別情報通知がある方は、その証明書に記載されている方の氏名を確認してみてください。

仮に、亡くなった人の氏名が記載されている「登記済権利証」や「登記識別情報通知」が見つかった場合は、そこに記載されている土地や建物などの登記簿謄本を取得してみてください。

また、登記済権利証や登記識別情報通知には、固定資産税が課税されていない私道(道路)などの土地が記載されていることがあります。

不動産を相続したときに、自宅であれば納税通知書などで課税されている不動産を把握することができるので相続登記がされますが、私道などの固定資産税が課税されていない土地については、相続登記の申請が漏れてしまうこともあります。

過去に不動産を相続したことがある方は、亡くなった人の氏名が記載されている登記済権利証や登記識別情報通知から相続登記されているか確認してみることをお勧めします。

「名寄帳」を取得する

亡くなった人が所有していた不動産を調べる方法として、「名寄帳」を取得してみることもお勧めです。

名寄帳とは、特定の人を指定して所有している不動産の一覧が記載された証明書のことです。

名寄帳を取得することで、その市区町村で管轄している不動産に限られますが、人を特定して不動産の所有状況を調べることができます。

例えば、亡くなった人の登記済証や納税通知書に記載されている土地などを管轄する市区町村から「名寄帳」を取得することで、固定資産税が非課税になっている土地が判明したり、山林や田など土地の価格が低く、固定資産税が課税されていたとしても税金の支払いが発生しない土地が見つかることがあります。

過去に不動産を相続した方は、その相続した不動産を管轄する市区町村から名寄帳を取得して、そこに記載されている土地などの登記簿謄本を取得していただき、相続登記がされているか確認してみてください。

相続登記されてない不動産が見つかったとき

冒頭でも述べたとおり、令和6年(2024年)4月1日から相続登記の申請が義務になります。

過去に相続した不動産であっても対象になります。

不動産を調査した結果、亡くなった人名義の不動産が見つかったときは、そのまま放置せず相続登記を申請する必要があります。

不動産を所有していた人が亡くなった日から何十年も経過していると集める戸籍や手続きの方法などが複雑になることがあります。

あなた自身で相続登記を申請することが難しかったり負担に思われるのであれは、登記の専門家である司法書士に相談して、早めに相続登記を完了させることをお勧めします。

当事務所は、相続登記の手続きを一括サポートいたします。

当事務所は、司法書士事務所として、数多くの相続登記を受任・解決しております。

亡くなった人から不動産を相続した方や過去に不動産を相続したけれども相続登記を放置してしまっている方は、当事務所にご相談ください。

当事務所では、戸籍の収集から遺産分割協議書などの書類作成、法務局への登記申請までご依頼人に代わって一括して、お手続きいたします。

相続登記の手続きでお困りの方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。

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