司法書士の山田でございます。
最近、弊社にお問い合わせいただく内容として、亡くなった人の財産を相続したくない、若しくは相続手続きに関与したくないとのご相談いただく機会が増えてきております。
その際、ご自身のケースでは相続放棄した方が良いのか、それとも他の相続人に相続しない旨を伝えれば良いのか判断に迷っており、当事務所にご相談に来られる方がいます。
専門家としての立場からお答えするとしたら、相続放棄が必要なケースは事案によって判断が分かれると思います。
相続放棄が必要になる明確な基準としては、亡くなった人が借金をしていたときや連帯保証人になっていた場合など、亡くなった人に代わって相続人が債務(マイナス財産)を引き継ぐ場合です。
例えば、金融機関や消費者金融等から亡くなった人の借金の返済を求める通知が届いたのであれば、相続放棄するべきケースと言えます。
また、最近では市役所や法務局からお手紙が届き、亡くなった人の所有していた不動産を相続することを知り、不動産を相続したくないために相続放棄を選択される方もいます。
ただ、相続したくない又は相続手続きに関与したくない場合に、必ず相続放棄する必要があるのか、というとそうでもありません。
例えば、亡くなった人と疎遠であったり、面識のない親族の相続人になることもあります。
よくある事案としては、見ず知らずの親族や司法書士事務所などから突然手紙が届き、自身が相続人となることを知った場合です。
突然のお手紙に驚き、動揺される方もいるでしょう。
ただ、その時に相続手続きに関与したくないからといって、必ず相続放棄が必要になるとも限りません。
そういったケースでは、お手紙と一緒に財産目録など、亡くなった人が遺した財産が記載された明細書や、経緯や事情を説明した書類が同封されているからです。
その財産目録に借金が記載されていれば、相続放棄を選択するケースとも言えます。反対に借金がなく不動産や預貯金等のプラスの財産のみが記載されているのであれば、あえて相続放棄する必要はないともいえます。なぜならマイナスの財産がなければ、相続したとしてもご自身にとって直接不利益になるようなことはないからです。
また、財産目録などが同封されていない場合は、差出人である相続人や司法書士事務所などに連絡して、亡くなった人の財産の内容や事情を聞いてみるのも良いでしょう。
もし、面識のない親族の財産を相続したくなかったり、相続手続きに関与したくないのであれば、相続放棄以外の方法も選択することができます。
もっとも見ず知らずの相続人と連絡を取り合いたくなかったり、ケースによってはご自身の印鑑証明書を相手方に渡す必要があり、それすらも拒否したいと思う方もいます。
そういった場合には相続放棄を選択するのも良いかもしれません。
相続放棄の手続きを専門家に依頼すると費用が掛かりますが、滞りなく確実に相続放棄したい方は司法書士などの専門家に依頼して手続きすることをお勧めします。
ただ、最後にお伝えしたいことは、相続放棄には期限があります。相続に関する何らのお手紙や通知を受け取った方で判断に迷っているのであれば、そのまま放置せずに、ご自宅に近い司法書士事務所でも良いので、これからどういった対応をすれば良いのか、早めに相談してみることをお勧めします。
当事務所は、初回相談を無料で承っております。
お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
司法書士山田武史
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山田武史司法書士事務所
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